泣き顔の後に笑って
「えーこれからホームルームを始める」
と言って白田が黒板に何か書いていく
そこには
『文化祭役員決め』
と書かれている
『出たー!あの幻の文化祭役員!』
俺は懐かしいこの光景に思わず声をあげる
「これが決まらないと文化祭が始まらない
誰でもいい、実行委員になってくれる人はいないか?」
わりと冷めきっているこの高校だったが
ここでピシッと自信満々に手を挙げた奴がいた
「俺がやる!」
手を挙げたのはやはり俺だった
「お、やっぱ挙げてくれたな都橋
こういう時だけ頼りになるな」
「一言余計だなー"だけ"じゃなくて"も"だよ」
俺は何故かこういう行事ごとが好きで毎回実行委員になって目立とうとしていた
「じゃあ男子は都橋で決まりだな
女子はどうだ?文化祭の実行委員
貴重な高校生活、いい文化祭にしていこう」
「………………」
誰も反応しないことがかえって笑いが起きてしまう
「ガン無視されてんじゃん!」
「先生なんか熱血みたいだよー!」
「まじウケるー!」
色んな野次が飛び交う中
「ほら、藍華やれよ」
「なーんであたしなの!」
俺は藍華腕を無理矢理挙げさせようとしていた
しかし藍華は下に力を入れて上げようとしない
「往生際が悪いぞ藍華!」
「いぃぃやぁぁだぁ!離して!」
藍華に手を挙げさせようとしていたら
1人だけスッと手を挙げた女子がいた