泣き顔の後に笑って
そして賢也は
雪菜と手を繋いだことにいまだに気分がルンルンしていた
電車の中でもニヤーっと
傍から見るとかなり変な高校生だ
電車から降りる
(雪菜から返事こないかなー)
答えはわからない
けどやはり緊張していて
賢也は少しボーッとする
長く感じる時間に賢也は嫌気がさしていた
(しばらくここでボーっとしてよ)
空を眺める賢也
あの空から雪菜が雪みたいに降ってくれればいいのに
なんて冗談を思いながらも
建物を作ってる鳶職の人たちを見つめる
あいつらも大変だなと空と同時に鳶職の人を見ていた
じっとしてるのも次第に我慢出来なくなり
立ち上がる
すると
賢也のスマホがブーッと鳴り出す
賢也は慌ててスマホをポケットから取り出す
電源を付けると
ラインの通知が来ていてそこからメッセージを読んだ
「………」
メッセージを何回も読み直す
そんな時だった
「あぶなーーい!!!」
上の方から聞こえた声
その声のする方を見ると
鳶の人が落とした鉄柱が空から降ってくる
その真下には
子供とそのお母さんが歩いていた
それに気づきすぐ側にいた賢也は
「伏せろー!!!」
と言いながら走り出す
子供とお母さんを押し倒して
自分が上になるように倒れた
鉄柱は賢也に直撃