まるで鏡を見ているように

慣れっこな身代わり


「ねー澪、明日空いてる?」

「空いてるけど何?」


 私の三つ上の姉、美雨(みう)が唐突に話しかけてくる。猫なで声。
 こんな時は大抵何かあるに決まってる。私はぶっきらぼうに答えた。


「お食事会に興味はないかなぁ?」

「ない。いかないよ」

「そんなこと言わないでさ、話だけでも聞いて?」


 私の目を見つめて、少し首をかしげる。

 普通にやったら〈あざとい〉と感じられてしまうようなこのしぐさ。
 それがこの姉には、とても似合っていた。整った顔立ちとバランスのとれた身体つきは美人、と呼ばれても何ら不思議ではない。

 綺麗なウェーブをえがいたショートの髪が揺れる。全部計算ずくならまだしも、少し天然が入っているから余計たちが悪い。


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