転生令嬢の異世界ほっこり温泉物語

「お嬢様、何をしたら一日でこんなに綺麗な髪になるのですか?」

「え?……多分、温泉効果?」

温泉にしては効果強過ぎると思いながらも、他に要因が思い浮かばない。

「温泉って何ですか?」

「ええと……地下で温まった水が湧き出て来たもので、身体に良い成分が含まれていて……」

ラナの質問に答えながらも、考えを巡らせる。

前世の記憶で知る温泉と効果が違うのは、世界がちがうから?
こっちの世界は、精霊の加護なんて奇跡の力もあるし、自然の力が強いとか?

うーん、よく分からない。
美容に効果抜群なのは嬉しいけど、ここまで効き目が高いと副作用とか大丈夫なのだろうか。

とりあえず明日も、おの温泉について調べてみよう。
都合良い事にライが護衛になったから、見張りや荷物持ちをお願いできるし、動き易くなった。

そう言えば、コンラードは私の外見的変化に全く関心を示さなかったな。

なとど、あれこれ考えながら、夕食を取り、明日に備えて早めにベッドに入った。

翌朝、目が覚めても温泉効果は切れる事なく、私の髪も肌も艶々のままだった。

顔を洗っていると、ラナが化粧道具を手に近付いて来る。

「お嬢様、せっかく綺麗になったのですから、いつもと違うお化粧をしましょう。きっと見違えます」

「え……あの、ごめん。いつも通りでいいわ」

張り切っているラナに申し訳ない気持ちになるけれど、今日も温泉に行くのだから化粧など邪魔なだけだ。

「いつも通りって、日焼け止めだけじゃないですか!」

ラナは「勿体ない!」とかブツブツ言いながら、日焼け止めを用意してくれた。
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