転生令嬢の異世界ほっこり温泉物語
「エリカはコントロールが上手くなるまで、力の使用禁止だな」
私を背負って歩くライが、呆れた声で言う。
「はい……ごめんね、迷惑かけて」
「別に迷惑とは思ってないけど、俺はエリカの護衛だし。けどひとりでいる時に倒れたらやばいだろ?」
「うん。下手したら野垂れ死ぬわ。でもどうして急にこんな事になったのかな?」
「……俺が水の鑑定士の話をしたからか? けど、話に聞いたから力が増えたなんて話聞いたことがないな」
ライの言葉に私も頷く。
「精霊の加護の力の強さは血筋でしょう? 急に増減するなんて変よね……どうしてなのか調べてみようかな」
「当てはあるのか?」
「うーん、あまり無いわ。まずはコンラードに聞いて、それから王立図書館で前例が無いか調べるとか?」
「有力な伝はなさそうだな……と言うことは地道に調べるしかないな、俺も手伝うよ」
「本当? ありがとう」
ライが居れば心強い。サウラン辺境伯領で水路のことを勉強していたそうだし、頭が良さそうだもの。