転生令嬢の異世界ほっこり温泉物語

「ええ、男性四人と」

「男性……様子がおかしかったと言うのは？」

「初めから攻撃的だったし、異様に水に執着していたわ。水場か使えないと言っていたから、村で問題が有ったのかもしれない。何か聞いている？」

コンラードは難しい顔をして頷く。いつもの飄々とした余裕のようなものが消えていた。

彼はしばらくすると、ため息交じりに言った。

「お嬢様のおっしゃる通り、ランカ村は今危機的状況に陥っています。原因は水不足です」

「水不足ってなぜ？ 井戸が枯れてしまったの？」

「いえ、ランカ村の生活水は近くを流れる川より引いて来ているのです。その川がひと月ほど前より汚染されて、安心して使えなくなった。それでも村近辺の湧き水や、雨水などを利用して凌いでいましたが、ここ半月ほど雨が降らない為深刻な状況となったのでしょう」

コンラードの表情は暗い。おそらく村は、言葉で聞くよりも酷い状況なのだろう。