転生令嬢の異世界ほっこり温泉物語
コンラードの話によると、ミント村が比較的余裕のある様に見えるのは、豊かな井戸水があるからだそうだ。

川の水量が減っても濁っても大して困らない。これだけの事で心のゆとりが全然違うらしい。

それから領主館があり、領主代行のコンラードが直々に仕切っているのも大きい。ミント村には食料の備蓄もあるとの事。

不作で困っているのは同じだけど、深刻度が全然違うということだ。

「困ったわね、天気はどうしようもないものね……他の領主の村はどうしているの?」

「我々と同じような状況です。この辺りで天候に左右されずに栄えているのは、サウラン辺境伯領のみです」

「さすが辺境伯様ね、悪天候もものともしないなんて」

「サウラン辺境伯領は水路が整備されているし、農業以外の産業も発達しています。領内では金を取れると言う話ですし、フォーセル大公国をはじめとした他国との貿易も盛んだから、不作でも食料を買う事が出来ます」

「食料を買うか……うちの領内でも外から買えたらいいのよね」
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