転生令嬢の異世界ほっこり温泉物語
コンラードに温泉について説明すると、かなり興味を持ってくれた。リゾート地化計画にも、賛成で、まずは自分も温泉を見てみたいと言うので、明日早速視察に行くことに決まった。


方針が決まったので解散となった。
部屋に戻ろうとすると、ライに呼びかけられる。

「すこし、いいですか?」

なんだろうと怪訝に思いながらも、ラナには先に部屋に戻って貰い、ライを誘い中庭に向かった。

中庭の端には木で出来たベンチがある。
私がそこに座ると、ライは少し距離を置いた位置で立ち止まった。


「座らないの?」

「ああ、俺はいい」

「そう? えっとそれで用事ってなに?」

はっきりとは聞いていないけど、ライの雰囲気から話が有るのだろうと察した。

「聞きたいことが有る。立ち入った事だから、嫌なら答えなくてもいい」

「……どんな事?」

少し身構えながら聞く。

「初めから疑問に思っていたんだ。エリカはどうしてこの村で暮らしているんだ? 貴族の令嬢なら社交シーズンの今は王都にいるはずだろう? しかもさっきの話では王都に帰る気もないようだった」
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