転生令嬢の異世界ほっこり温泉物語
◇◇◇

それから一カ月。

計画は順調に進んでいた。
選んだ建物は木造の二階建て。広めの家屋が二つ並んで建っている。

一軒は食堂や、受付、厨房、従業員の休憩所にして、もう一軒を客室にする予定。

客室は差を設けず全て一般的なランクで統一する事にした。

一部屋にベッドを二つ置き、小さなクローゼットと、テーブルセットを基本装備にした小さめのツインルーム。それを八部屋作る。

部屋の広さ、設備は同じだけれど、ファブリックなどは変化をつける事にした。

各部屋にテーマを設け、それに相応しい内装にする。

これはお客様のマンネリ感を防ぐ為。それから私の個人的な趣味。

宿作りは順調に進んでいく。

大掃除をして、徹底的に磨き上げた床はピカピカ光り、良い味を出している。

同じく黒い窓枠も丁寧に汚れを取る。白く塗り直した壁とのコントラストが素敵だ。

部屋壁を塗るときは、一部色を変えてみた。
アクセントクロスというやつだ。

飾りつけに、部屋のテーマ毎のファブリックパネルを用意した。

ミント村には織物の名人が居たので、図案を渡して作って貰った。

拘ったのは照明器具。これは多少予算オーバーになっても妥協せずに、良いものを選んだ。

照明が安っぽいと部屋の雰囲気も安っぽくなる気がしたからだ。


拘って正解。

まだ、完成度八割程度でありながら、居心地の良いアンティークな雰囲気の部屋が出来上がった。

温泉の方も大分形になっていた。


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