君がいて、僕がいる。
「ってか真希どっか行くわけ?その荷物」
「あぁ、うん。ちょっと」
「俺んちにお泊まり」
「……本当、神谷さんも物好きですね」
どういう意味だよ、と将希を睨んでいると
「真希のいいとこなんて将希が一番わかってるくせに」
と、私の肩に腕を回してきた。
「ちょ、将希の前でそういうことしないで」
とその腕を外して離れれば
「…じゃあ早く俺んち行こ。
将希、明日まで真希借りるから」
そういって、私の荷物を持って先にリビングを出ていった。
「…神谷さん、真希にベタ惚れじゃん
お前がアユさんに見えてくるわ」
「……よくわかんないわ
じゃあね」
将希にそれだけいって、私も圭介の後を追えば、圭介はもうすでに靴を履いていた。
「あ、荷物ごめん。持つよ?」
「は?え、いいって。大した大きさでもないし、重くもないし
こういうのは彼氏の仕事だから、彼女の真希はおとなしく俺に持たせておけばいいの」
「……そういうものなの?」
「そういうもんなの。」
そう言って私に優しい笑顔を向けるから、私も「ありがとう」と言って素直に甘えることにした。
これ以上言ったらただのうざい女だしね。
「そういえば宿題終わった?」
「あ、終わんなかったから持ってきた」
「終わんなかったんかい!昨日早く帰ったのに!」
「…昨日帰ったらゆずちゃんがいたから、ずっと話してて昨日が終わってしまって」
……なんて、それは言い過ぎだし本当は考えすぎて気づいたら寝てたんだけど…
でもお風呂入ろうと起きたらまだゆずちゃんがいたから、普通に夕飯も一緒に食べたりと、なかなかの充実具合だったんだよね
「へぇ、ゆずとそんなに仲良くなったんだ?」
「うん!すっごいいいこだし面白いし、その上かわいくて優しくて
なんであんなパーフェクトガールが将希なんかの彼女なんだか…」
ゆずちゃんなら絶対もっといい相手見つかるのに。
かっこよくて、優しくて。
あんなガキで短気なやつえらばなくてもさ…