君がいて、僕がいる。



横たわる圭介の背中から流れ出る血液

そこに落ちている、赤く染まった熊谷のTシャツ

血まみれのナイフ

そして、服で圭介の背中を押さえる将希


「…いや、いや…」


どうして?なんで?

そんなことが頭の中を駆け回る。


「圭介、目を開けてよっ…!!」


ナイフで背中を刺された圭介が倒れている。
そんな現実が、私を襲う。


「くそっ…、救急車はまだなのかよ!!」


必死に止血をする将希の声が私の横を通り抜けていく。

お願い、夢であってと願っても
どうしても覚めてくれないこの現実

誰か、私を起こして。
もう朝だって、起こしに来てよ。

これは夢の続きなんだって、誰か言って。


「いかないで…」


ほら、前はここらへんで起きた気がするよ…?


「お願い、圭介…逝かないで!!」


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