君がいて、僕がいる。
2002年、夏
この学校は明日から夏休みです。
ねぇ、神様。
この命、もう終わりにしていいですか?
「死ぬの?」
「……え?」
放課後、校舎の屋上にきた私はフェンス越しに下を見て、上を見上げていた。
そんなことをしていたら突然声が聞こえてきて、振り返れば綺麗な中性的な顔をした男の人が座っていた。
……口にはあめ玉。
棒を持って口から取り出していた。
「だから、死ぬの?」
座ったまま、片手にはキャンディを持ち、綺麗な顔はさっぱりとした表情のまま、私にそんなことを聞く。
普通、そういうことを聞くときはもっと歪ませたりするはずなんだけど…この人の顔はとてもさっぱりとしていた。
「……死なないですよ」
「じゃあなんでそんなとこにいるの?」
「…神様にお願いしたの。
そろそろ死なせて、って。
生きてるの疲れたよーって訴えてた。
ただそれだけ。」
「ふーん、そっか」
……話聞いておいて、本当にさっぱりとしたまま。
いかにも『お前が生きようが死のうかなんて興味ねぇよ』みたいな顔をしている。
「……あの、誰?」
「え、俺?
3年2組の神谷圭介。
君は?」
「……1年5組の原 真希です」
「へぇ、1年生か。
……はら、まき…
・・・・腹巻き!?」
「つ、繋げないでください!!」
っていうか、さっきまでさっぱりしてたくせに、突然目を輝かせて私の名前を叫んだね…
そんなに面白いですかね……
「やべー、めっちゃウケる
ハラマキって呼んでいい?」
「絶対に嫌です」
「ハハ、冗談だよ」
…なんだよ。普通の人じゃん。
さっきまであまりにも興味無さそうな顔してたからどんな人なと思えば……