君がいて、僕がいる。
学校の怪談
「動く銅像?は?なにそれ」
「えー、知らないのー?
お盆の初日って言うの?迎え火する日の夜20時に、理事長の銅像が一人で歩き回るってやつ
超有名だけど」
8月も中盤。
このくそ暑い屋上といつものファミレスを行き来する毎日、たまに宿題を手伝ってもらったりしてなんとなく毎日を過ごしてる。
そんな日々の中、まーた圭介が変なことを言い出した。
「へー、有名なんだ。
まぁ私まだ1年だし、しかも友達すらいないから聞く機会がなかったんだな、たぶん」
「そんな悲しいことを超平然と言わないで」
「事実だから仕方ない」
友達いないけどさっ
家族ともほぼ会話なしだけどさっ
最近は圭介と毎日会って、しゃべってるから別にいいのさっ
「ってか迎え火ってやるの明日じゃない?」
「そ!そうなんだよ!
だからさ、ちょっと見てみたくねー?」
「・・・はぁ?」
「俺今年が最後のチャンスだしー。
どうよ、俺とここで夜まで過ごさない?」
「超暇人。」
なんなの、この人。
本当に受験生?
たまーーーに優斗くんが補習のために連れていくくらいで、それ以外で勉強本当してないよな……
「あ、もしかして怖い?」
「今聞いても怖くないけど、夜の学校は怖いかもしれない」
「えー、俺も怖いんだけどー。」
「なんだ、圭介も怖いんじゃん
じゃあやめなよ」
「いやでも真希ならいける」
「意味不明」
怖いもの見たさってこういうことを言うんだな、うん。
私は興味もないけど。