君がいて、僕がいる。


「手術は無事に終わった。
臓器が傷ついてたり、骨に傷がついてたりってことはなかった。
大きな血管が傷ついてたわけでもない。
だから、一命はとりとめた。

……でも、出血が多かったろ…だから、輸血もたくさんしたんだ。
……で、普通術後は一回意識が戻るかどうか、必ず確認するらしいんだけど…神谷さんはその確認がまだできてないんだよ」

「……どういう、こと?」


頭の悪い私には、将希の言葉がいまいちわからない。
手術が無事に終わった。一命をとりとめた。
……だけど、医師の言ってた『彼の生命力に賭けるしかない』といった意味…

私には、理解できなかった。


「…真希ちゃん、意識が戻らないってことは、脳に異常があるかもしれないってことなんだ。
一時的にでも脳に血液が十分にいかないと、脳は酸欠状態になる。……だから、もしこのまま目を覚まさないと、脳死…もう二度と目を覚ますことはないってこと」

「えっ…!?」

「それだけじゃない。
……心臓だって、このままじゃいつか止まるかもしれない」

「ちょ、ちょっと待って…」

「神谷は今、ショック状態なんだ。
今はとにかく、血圧を安定させて意識が戻ることが1番なんだ。
神谷が頑張るしかにないんだ。

……だから、真希ちゃんも神谷を信じて待ってて」


目の前が、真っ暗になる

圭介、圭介っ……


涙が、止まらない
次から次へと溢れ出て、私の視界と呼吸を乱していく


「__きっ、ま…」


遠くで、そんな声が聞こえた気がした___


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