君がいて、僕がいる。
_____,,
「ん……んんー…」
目が覚めたら、部屋はもう暗くて、誰もいなかった。
真っ暗で、個室だからなんの音もしない。
私の呼吸をする音だけが響く
「けい、すけ……」
記憶が消える
そんなことを言われた私だけど、どうしても圭介のことが忘れられない。今日のことを忘れられない。
将希と優斗くんから聞いた話だってまだわかる。
……でも、あのあとどうなったのかは私の記憶にはない…いつのまにか寝てたのかな…
涙が止まんなくなって…それから、それから……
……わかんない、や…
圭介は、まだ目を覚ましてないのかな…
けいすけ……
ナイフをあの人に向けていた圭介の目、本気だったな…
ずっと前から、あの人を殺るって決めてたから、受験勉強もしてこなかったのかな…
私とも、最初から別れるつもりだったんだね。
…それだけ、アユさんのことが好きだったってことだよね……
私には、圭介がどんだけアユさんのことが好きかなんてわからない。アユさんと過ごしてきた時間なんて、私は知らない。
…でも、そんな私ですらわかったことがあった。
「…やっぱ、アユさんには敵わないや…」
好きだから許せない
好きだから乗り越えられない
好きだから、あそこまでしたんだって__
もうなんか、私に勝ち目なんかない。
昨日、圭介は私に好きだと言った。
嘘でも嫌いになったなんて言えないとまで言った。
…でも、アユさんのために私を捨てた。
わかってた。
わかってたことじゃないか。
捨てられるのは、いつも2番目だって。
所詮2番目だからって守ってた私はどこへいった。
今さら、胸が…張り裂けそうだよ……