君がいて、僕がいる。




それから、圭介はもうなにも言わずにずっと私を抱き締めていた。
そして私も、ずっと圭介の胸でなき続けた。

その泪が止まるまで、私たちはずっとそのままだった。




「___落ち着いた?」

「ん…、ごめ、ありがと…」

「はは、なんで謝んの」

「………っ。」

「なに、黙って」

「ん、圭介のそんな幸せそうな笑顔、初めて見たから…」

「だって俺、今めっちゃ幸せだもん。
真希とまた会えて、また真希と付き合えて」


また幸せそうに答える圭介の笑顔に、私も自然と笑顔になる。

この人はこんな風に笑うんだなぁって
また、新しい圭介が見られて、それだけで幸せだったんだ。


「……あの、こんなときに聞くことじゃないかもだけど
圭介、アユさんのことは…」


今聞いていいのかわからないけど、でも私にとっては大事なことだから……


「…もう、過去の人。
アユのことは忘れられないけど、でも過去の人。
俺はもう真希しか好きじゃないよ」

「……そっか」


その言葉に私はまた笑みを溢す。
憧れだったそれを、私は手にいれたんだ。


「一番好き?」

「一番好き。」


だって、ずっと私は二番目だった。二番目の女だった。
だから、一回でいいから、一番愛されたかったんだ。
私だけを好きでいてほしかったんだ。


「……圭介」

「ん?」

「好き。」


もう、わけわからないくらい幸せだ。
ずっと会いたかった人がここにいて、私を一番に好きでいてくれる
それが、本当に幸せなんだ。


「……おかえり、圭介」

「ただいま。」




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