君がいて、僕がいる。
第2章
先輩の嫉妬。
「真希~」
「あれ、将希帰ってたんだ」
「あぁ、たった今。」
お盆になり、お父さんもお母さんもいる今、将希まで帰ってきたなんて
この家はまた嵐の予感だな…
まだ7時。朝早いからまだ静かだけど…これは早めに家を出るのが懸命だな。
「ところでなんか用?」
「今日焼肉行かねー?」
「はぁ?焼肉?あんたと私が?二人で?」
「他にいねぇだろ」
「なんでまた急に。ってかお金あんまないんだけど」
「見ろよ、これ」
「んー?」
将希が差し出してきたのはいかにも今日の朝刊にでも入ってましたって感じの焼肉屋のチラシ。
そこにはでかでかと『カップル限定!ランチ食べ放題1,000円!』と普段2,980円する食べ放題が安くなると書かれていた。
「いや、カップル限定なんだから彼女と行きなさいよ」
「アホか。彼女と行ったら俺がおごるはめになるんだぞ
真希と行くから割勘できて安上がりなんだろ」
「だいたいあんたとは姉弟なんだから、虚偽でしょそれじゃ。詐欺だよ、詐欺」
「細かいこと気にしてんなよ
とりあえず俺今から寝るから。ランチは15時までやってるし、13時出発で」
「決定かい。
まぁいいけど、私これから出掛けるから13時15分頃店の前で」
「あぁ、わかった
あ、カップル体なんだからデートっぽい服でこいよ」
将希は言うことだけ言って、部屋のドアを閉めた。
にしても、あいつとご飯なんていつぶり?何年ぶり?
しかも焼肉って。
デートっぽい服ってなんなんだ。普通に制服じゃダメなのか?めんどくさいなぁ…
…あ、そういや前に将希にほめられたワンピースあったな。あれでいいや。