君がいて、僕がいる。


「……それは、私が聞いちゃいけないことかな」


知りたい。なんでもいい。
圭介のことを、少しずつでも知りたかった。

圭介は私の頭を撫でながら、優しい笑顔をまた私に見せる。けど…


「俺は話してもいいよ。でも、重い話になっちゃうから、そんな顔してる真希には話せないよ」


結局、私にはなにも教えてはくれなかった。


「でもいつか話すよ。」


たったその一言で、終わらせられてしまった。


「将希とどうして知り合いなのかとかは…?」

「…それは俺が話したくない。」

「……そっか」


やっぱり私はなんにも知ることができないみたい。


「…真希は、俺のこと好き?」

「え?」

「気持ちとか無視して彼女にしたから、今のうちに聞いておこうと思って」

「あー…、
好き、って聞かれるとわかんないかもしれない。
過去に誰かを好きになったことがあるけど、それとはまた違って、でも友達とかでは決してなくて、何て言えばいいかわかんないけど…
恋してるのかはよくわからない。だけど

━━私が一番そばにいたい」


この感情はよくわかんないけど…でも

圭介のそばに一番近くにいられるなら彼女でいたい。
友達にもどって、圭介に別の彼女ができるのはイヤだ。


「辛いことがあったら一緒に乗り越えたいし
幸せなことは一緒にわかちあいたい。
美味しいものを一緒に食べたり、この暑さを共有したり。

もし今感じるこの気持ちが恋なら、私はいい恋してるんだなって思えるくらい、今は圭介が大事。…かな」

「……そっか」


初めて口にした、本音。
どこまで圭介に伝わったかわかんないけど、圭介が幸せそうに笑ってくれたから、伝わったと信じたい。



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