君がいて、僕がいる。



結局あの大量な書類たちは一緒に箱に詰めて、台車にのせて職員室へと運ばれた。
さすがに手にもって階段降りるのはきついし危なかったしな。

で、約束通り先輩のおごりでファミレス。
ここ、いつも圭介と来てるからぶっちゃけ店員にはかなり前から付き合ってると思われてるだろうし、現に付き合ってるんだけど…

今日は優斗くんと来てて、いったい私はどういう風に見られているんだろうか……

はっきり言って、私が店員サイドならこんな女、まじで軽い女だ。まじなやつだ。


昨日までは中性的なイケメンを連れ、今日はスポーツマン的なイケメンを連れて。
いったいこんな顔がどうしたらそんな魔性の女になれるというんだ。


「今日は本当にありがとね」

「いいよ。暇だったのは事実だし、これもいい経験になったと思えば。
これで絶対に私は生徒会に入ることはなくなったしね」


ま、今回のことがなくても、私なんかが生徒会に入れるわけもないんだけどさ。
望んだところでね。


「真希ちゃんは要領がいいから絶対に生徒会向きなのに」

「こんなやる気のない生徒のどこが向いてるのか教えてほしいよ」

「だから要領がいいとこだって」

「優斗くんだって、かなりの早さで入力してたじゃん」

「そりゃ俺、会長だからね」


あぁ、そうか。
この人はいろいろできる人間だから生徒会長なのか。

人脈というか…人気もありそうだしな。


「そういえば、優斗くん好きな人いたじゃん?」

「あぁ、うん」

「告白とかしないの?」

「いや、今は時期的によくないから。
受験でかなり神経質な時期にそんなこと言えないよ」

「あ、そうか。受験生なのか」

「何をいまさら」

「圭介が全然受験生っぽくないから忘れちゃう」

「あいつなー…あいつはそろそろ真面目にやらねぇとまずいのに…」

「え、頭良くないの?あの人」

「圭介?そんなよくないと思うけど。本当普通。」


え、そうなの?
だって、いつもまったく勉強する気ないよ?
俺には必要ないとか言って……

……ってことは、そろそろ本当に私の相手なんかしてる場合じゃないんじゃ……



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