君がいて、僕がいる。



「俺は、まだ真希の彼氏でいたいよ」


だけど今度はストレートに気持ちをぶつけてくれて。
でも、それを素直に受け入れることは出来なくて……


「……でも、さっきの人は…」

「さっきの子は、彼女でも好きな子でも、浮気相手でもない」

「えっ…じゃあ…」


誰?
そんなことを聞いても圭介からの返答はなくて…


「でも、まだ俺は真希を一番に考えられていない」


その代わりにまた、衝撃的なことを言われた。


「さっきの子が一番な訳じゃない。
でも、俺には真希よりも大事というか…一番に考えてる人がいる。

……だから、嫌なら前みたいにただの先輩後輩に戻ろ」


そういって、圭介は私から離れた。
だから下を向いたまま、ゆっくりと振り返って


「……私は…やっぱり2番目にはなれない」


ちゃんと、気持ちを伝えることにした。
今度は、しっかり圭介の目を見て。


「……私は、圭介の一番になりたくて彼女になった。
でも、結局一番になれないなら、私はその過酷な道を選ぶことはできない。」


もう、これ以上傷つきたくなんかない。
どうせ失うことになる。いつか絶対、失うことになる。
守られるのはいつだって1番目で、排除されるのはいつだって2番目だ。

結局失うことになるなら、傷が浅いうちに、自分から離れるよ


「そ、か。わかったよ」

「でも、さっきの人のことを聞きたいといったらわがままかな…」


私がそういうと、圭介は怪訝な表情をして下を見た。


「……言いたくないならいいよ。でも、私はただの後輩だから
ほかの大切な人よりも話しやすいんじゃないかな」


圭介と出会った頃、私は圭介にそんなことを言われた。
赤の他人だから話しやすいこともあるだろうって…

だから、それをそのまま圭介に返した。


ねぇ、圭介はいったいなんでそこまで苦しんでる?
いったいなにがあったの?そんなに、私には話しにくいことなの…?


「……すごい重い話になっちゃうけど、それでもいいの?」


結局顔をあげず下を向いたまま、そんなことを言うから


「うん、大丈夫だよ」


少しでも明るく、あの頃の圭介を再現して返事をした。
あの頃の、さっぱりとした圭介と同じように……



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