君がいて、僕がいる。
「ん、送ってくれてありがとね」
「あーあ、もうついちゃった」
「だから明日も会えるんだからいいでしょ」
「……最近、俺ばっか好きで困るなぁ」
「あはは、なにそれ
そんなことないでしょ」
「……今ここでキスしたいと思ってる俺はどうすればいいですか」
「早く帰って寝な」
「ほら、させてくれないじゃん!」
「いやだから普通外ではしないから。
しかも家の目の前で」
「……さすがの俺も我慢する。彼女の家の前でなんて、真希に変な噂ついたら困るし」
「えらいえらい」
私がそういうと、圭介は最後の最後で指を絡ませてきた。
「明日、ちゃんと外泊することをお母さんに言っておいでよ?
女の子の無断外泊なんて、すごい心配するから」
「……ん、わかった。
ちゃんと言うよ」
「明日は屋上いかないから、私服でね」
「うん。
…じゃあね?」
「…うん、また明日」
そういうと圭介はやっと私の手を離した。
そして私は家に入るわけだけど…
なんか、あんだけ『好き』が溢れているんだし、そろそろ私が一番になってないのかな…?なんて勘違いしてしまいそうだよ…
「ただいま」
「お、おかえりー」
・・・・え?
「……なんで将希がいんの?」
「自分の弟が帰ってたら変なのかよ」
なぜか、この家に将希がいる。
なんでか将希がいる。
おかえり、って普通に言ってやがる。
「…うちのご両親は?」
「くそ親父は仕事でまた帰ってこねぇんじゃね?
お袋は病院に入院だとさ」
「…入院?」
「そ。また精神的に参ってんじゃね
もう死にそうだったけど」
「え、会ったの?」
「いや俺が病院行けよって言ったんだけど」
へぇー…
ってかだからあんたは今ここにいるわけね。
うちの両親がいないから。
「ってか今真希神谷さんと一緒だったろ」
「え!?」
「普通に窓から見えたし。
やっぱ彼氏って神谷さんなんじゃん」
「……前会ったときは距離おいてたから」
嘘ついてたわけじゃないのよ。
あのときは本当に別れてたわけよ。
「まぁどっちでもいいけど
今俺の彼女いるから」
そういって将希はリビングに入っていった、けど
「・・・彼女!?」
将希の衝撃の一言のせいで、私の声がこの家に響いたのは言うまでもない。