生徒会長とのお約束
「お、早いな。もう終わったのか?」
ドアを開けると、そこにいたのは藤くんだけ。
「藤くんこそ。もう終わったんですか?」
「あぁ、まーな」
「さすが。早いですね」
しっかり書き込んである藤くんの手元のチェックシートを見て、思わず笑みがこぼれる。
さすが我らが会長、藤くん。いつも仕事で1番に終わるのは、決まってこの人。
「蜜こそ。夏目に教えながらなのによくこんなに早く終えれたな」
「いいえ、夏目くんが優秀なんですよ」
私が早く終われたのは、夏目くんと手分けしてやれたから。
普通教えながらしたらもっと時間がかかるんだろうけど、夏目くんは1回説明しただけでそつなくこなしてしまう。だから、いつもの2倍近いスピードで終わらせられたんだ。