生徒会長とのお約束



もし私が藤くんに言われたら、きっと、いや絶対に泣くだろうな。


あの男の子もちょっと言い過ぎなところがあるよね。



なんて呑気なことを考えて、ハッとする。



……って、そうじゃないそうじゃない。


今はその1年生くんよりも、藤くんだ。



もはやこの状況は私にはどうすることもできない。


仕方ないから私がこの体育館内の指揮をするしかない……んだけど。わかってるんだけど。




「会長さんって彼女とかいるんですかー?」

「あっ、それあたしも知りたーい!」



可愛い女の子たちの声を、どうしても拾ってしまう。



か、彼女って……。


藤くん、なんて答えるの…?




ここまで来てしまったら、もう今の私は仕事どころではない。



< 28 / 107 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop