生徒会長とのお約束


「ん?彼女?」

「はいっ!……いるんですか?」


キラキラとした視線を藤くんに向ける女の子たちに、藤くんがなんだか楽しそうな笑みを浮かべたのが見えた。


直後にパチっと目が合ってしまって、盗み聞きがバレていたと咄嗟に私は目をそらす。



「さぁ、どうだろう?もしかしたらいるかもな。俺に尽くしてくれる可愛い可愛い彼女が」

「えー、それってどっちなんですかー?」

「ハイハイ。本当の答え知りたかったらちゃんと健診回れよー」


残念がる女の子たちをよそに、藤くんは見事彼女話を逸らして仕事を全うしようと話を戻していく。



……ずるい。藤くんめ。


きっと今こっちを見ているんだろうけれど、なんだか悔しくなった私は頑なに藤くんを見なかった。


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