生徒会長とのお約束
「仲良くなれるかな?」
「さぁ、どうだろうな」
まだ顔も知らない夏目くんを想像しては、仲良くなれるか頭の中でシミュレーションを繰り返す。
「蜜」
「ん?……って、ちょっと!」
駅にもう少しで着くというところで、不意に藤くんに腕を引っ張られた。
建物の陰に入った瞬間、グイッと腰が引き寄せられる。
急な至近距離に、思わず顔が赤くなったのを自覚した。
「生徒会の未来を考えるのも大事だけどさ。もう少し彼氏に構ってやってもよくない?」
「ちょ…っ」
ずるい。
そう思うよりも先に、私の唇に藤くんのそれが触れる。
物陰とはいえ、外なのに。そんなことを気にする余裕もないくらい、私は藤くんにドキドキさせられた。