生徒会長とのお約束


「お。これで全員揃ったな。彼が、新入部員の夏目だよ」


藤くんが紹介するその子は、私と野内くんの想像とはまるで違って。



「あの時の…」


金髪で、それなのに人を寄せ付けないクールなその雰囲気は、この前の健康診断で群がる女の子たちを一刀両断していたあの1年生だった。



「本音を言えば、次の副会長候補になってほしいところだけど…」


遠慮気味に藤くんが夏目くんに視線を向けるけれど、当の本人は完全に無視。


次の会計は、まだ野内くんがいる。だから、もし彼が特別希望の役職を出さなければ、次空きの出る副会長をやってほしいのが本当のところなんだけど。



「夏目くん……だよね?や、やっぱり生徒会は嫌かな…?」


私も試しに聞いてみたけれど、本人が口を開くことはなかった。


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