生徒会長とのお約束
「イケメンなくせにつまんなーい。もっと笑えば?1年生クン」
「ちょ、美海先輩…っ!」
それを見ていた美海先輩は、隠すことなく本音を口にする。
まぁ確かに…イケメン、だよね。………藤くんの方がかっこいいとか思っちゃう私はどうかしてるけど。
「夏目く……」
「あの、」
もう一回話しかけてみよう。
そう思って名前を呼ぶより先に、夏目くん本人が口を開いた。
「そろそろ帰っていいですか?俺、そこの会長さんに一瞬だけって約束で来ただけなんで」
「「「………」」」
まさかの発言に、私も野内くんも美海先輩も、何も言えず押し黙る。
沙耶ちゃんはオドオドしていたけれど、藤くんは呑気に「あぁ、帰っていいよ」だなんて言って、夏目くんを帰してしまった。