生徒会長とのお約束
「瀬川って、なんにも言わないの?」
「へ?」
「ほら、夏目くんのこと」
あまりにも真剣に聞くものだから何かと思ったら、予想外の質問。
「藤くんが?なんでですか?」
「やー、ほら。ヤキモチ、みたいな?」
「ヤキモチ……?」
うーん…と少しだけ考えてみたけど、全くもって思い当たるところなんかない。
そもそも藤くんは、ヤキモチを妬かない。妬いてるように見えるときも、実際は私の反応を見て楽しんでるだけだ。
「……え、まさか何にもなし?」
「ないですね。ほら、見てくださいよアレ」
そう言って私が指差す先には、仕事中の私の彼氏。
「ヤキモチ妬くどころか、夏目くん勧誘を応援してくれてます」
いつも妬くのは私の方だ。だって、藤くんはモテモテだから。