生徒会長とのお約束
「さすが瀬川というか、なんというか…。翔太郎なら絶対……」
「え?野内くん?」
「……あっ、いや、何でもない!」
言いかけた言葉を、サッと隠した美海先輩。
その言葉の先は、分からなかったことにしてあげよう。美海先輩が可愛すぎて、私は野内くんが羨ましい。
「あのっ、美海先輩……」
「ん?」
「これなんですけど……」
隣の沙耶ちゃんが、分からないところを美海先輩に聞いている。
あーあ。私にも質問してくる後輩がいたらなぁ。
……なんて、ないものねだりをしてみたり。
「蜜」
「あっ、はい!」
そんな考え事をしながらでも、藤くんの声だけはちゃっかりと拾うのが私。
見上げるとそこにはいつのまにか藤くんが立っていて、何故か一発デコピンを食らった。