生徒会長とのお約束
そして目の前に広がった光景が目に入った瞬間、私の足はピタリと止まる。
「え……?」
少し遅れて入ってきた野内くんの足も、同じ場所で止まってしまった。
「その必要はなさそうだな。副会長?」
さっきの私の宣言が聞こえてたのか、会長席に座る藤くんがふっと微笑む。
まるで、「よくやった」とでも言うように。
「え……嘘……。本当に?」
そこには、この場所に来てほしくて来てほしくてたまらなかった人が立っていた。
「夏目くん……。夏目くんがいる……」
「なんですか。人をおばけみたいに」
そう。そこにいるのは、間違いなく夏目くん。
「少しでも楽しくないと思ったら辞めますから」と生意気に発言をする、夏目くんだった。