生徒会長とのお約束
美海先輩は先輩ではあるけれど、それを越えた親友のような存在。
私と藤くんの言う "私情" を理解している唯一の人でもあり、そんな美海先輩が私は大好きだ。
「何それ。瀬川ってば真面目すぎ。ていうかズルい」
「ですよね?先輩も思いますよね?」
「うん。元はと言えばみっちゃんの言いつけを守らなかった瀬川が悪いのにね」
私の気持ちを分かってくれる美海先輩はよしよしと私の頭を撫でて話を聞いてくれる。
同じよしよしでも、藤くんと美海先輩はまた違った感覚だなぁと頭のどこかで思っていた。
「おいそこ。何抱き合ってんだよ」
野内くんイジリが終わったのか、藤くんが私と美海先輩に怪訝な顔を向けて話しかけてきた。
「誰かさんに言いくるめられた可哀想なみっちゃんを慰めてるんですー」
「蜜、皆本にチクったな」
「人聞きの悪いこと言わないでください!」
やれやれと肩をすくめる藤くんを、キッと睨む。