生徒会長とのお約束
「上がったよ、藤くん」
「ん。おかえり」
お風呂から上がってリビングに戻ると、ソファに座って本を読んでいる、メガネ姿の藤くんがいた。
こういうお泊りのときじゃないと見られない、レア藤くん。黒縁のメガネがよく似合う。
その姿にウズウズしてしまって、隣にちょこんと腰かけた。
「ん?」
「えへへ」
隣に座ってるはずなのに、やっぱり目線は藤くんの方が上。
愛おしそうに私を見下ろす藤くんを見上げるのが好きだ。なんて贅沢な幸せなんだろう。
「なに?甘えたくなった?」
私のこの突拍子もない行動にも、藤くんは気付いてくれる。
コクリと頷くと、藤くんは微笑んで私の濡れた髪を撫でた。
「俺と同じ匂いがする」
「うん、藤くんのシャンプー借りちゃった」
「そそられるね、なんか」
意地悪に笑った藤くんが一瞬見えた気がする。
けどそれを確認する間もなく、藤くんの唇が私のに重なった。