生徒会長とのお約束
藤くんが戻ってきたあとは、2人でソファに並んでのんびりテレビを見た。
家の中だけどその手は繋がっていて、久しぶりの藤くんとのゆっくりとした時間。
学校ではしっかりセットされている髪も今は垂れ下がっていて、服装もスウェット。完全にオフモードの藤くん。
こんな藤くんを知っているのは私だけ。彼女の特権、ってやつだ。
「蜜、見過ぎ」
「……あれ、バレてた?」
「バレバレだっての」
いつのまにかガン見してしまっていたのがバレたらしく、藤くんは可笑しそうにクスクスと笑う。
「そんなに俺に見惚れてた?」
「……いつも見惚れてるもん」
「……っ、こら。不意に可愛いこと言わない」
少し照れた藤くんが可愛くて、次は私がクスクスと笑った。