生徒会長とのお約束
「いいから走って!」
「へいへい」
なんで藤くんはそんなにも楽しそうなんだ。なんだか私だけ慌ててるのが変に思えてきてしまう。
「もう!おーそーいー!」
走って、先に校門に着いたのは私だった。
集合時間まであと5分。これなら間に合う。
振り返るとさっきまで走ってたはずの藤くんは、もう徒歩モードに切り替えても間に合うと思ったのか、走るのをやめて呑気に歩いていた。
「先置いて行っちゃうよー?」
「……あれ、蜜先輩?」
そんなことを数メートル先の藤くんに叫んでいると、背後から聞こえた声。
「へ?」
声のかけられた方に視線を向けると、そこには相変わらず髪が金色の夏目くんが立っていた。