生徒会長とのお約束
「あ、おはよう。夏目くん」
「おはようございます。珍しいっすね。蜜先輩がこんなギリギリの時間だなんて」
「そう言う夏目くんは安定のギリギリだね」
「ども」
私が嫌味のつもりで言っても、全く悪びれる様子もない夏目くんはもはやさすがとしか思えない。
1年生でそこまで堂々としてるのは夏目くんくらいだろう。
「ところで先輩は、今誰に向かって叫んで……」
「わーっ!なんでもない!えっとね、たまたまそこで藤くんに会ってっ」
「会長と?」
藤くんと一緒に登校してきた瞬間を見られたのかと焦って、つい早口で話してしまう。
「何慌ててるんすか」
「べっ、別に慌ててなんか……!」
それが逆に怪しまれたのか、白々しい目を向けてくる夏目くん。
「おはよ、夏目」
そのいいタイミングでやっと藤くんが現れて、私と夏目くんの間に入ってくれた。