生徒会長とのお約束



「あ、本当に会長だ」

「は?何?」

「いや、何でもないです。おはようございます」


藤くんが来てくれたことによって、夏目くんがこれ以上何かを言うことはなくなった。



……のは、いいけど。



「あーっ!!遅刻!遅刻だよ!」


スマホの時計を確認すると、時刻は9時59分。



「藤くん!夏目くんも!走って!」


呑気な2人の背中をぐいぐい押して、私は慌てて生徒会室に向かった。




「はーい。3人とも遅刻でーす」

「うっ、美海先輩……」


ドアを開けた瞬間、そこには仁王立ちする美海先輩の姿が。



「夏目くんはともかく、瀬川とみっちゃんが遅刻するなんてねぇ。しかも、2人揃って」


事情がわかってるであろう美海先輩は、そう言ってニヤリと笑いながら私と藤くんを交互に見る。


瞬間、今朝の出来事を思い出してしまった私は、きっと今、顔が真っ赤だ。



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