生徒会長とのお約束
「は、走ってきたから、体温上がっちゃったのかな!」
「ふぅーん。先輩、体力ないんすね」
私の必死の言い訳に対する一言に一瞬、イラっとしたことは忘れよう。
夏目くんのこの性格は、一癖どころか三癖くらいありそうだ。
「よし、今日の仕事は校内の設備及び備品の確認だ。児玉と夏目は初めてだから、それぞれ皆川と蜜が付いてやって」
藤くんが全員を集めて、今日の仕事の内容を説明する。
今日は休日で一般生徒がいないので、校内の見回り点検。
掲示板のポスターが破れていないか、各教室にあるロッカーや机に傷がないかなどをチェックするのが今日のメインの仕事だ。
もし破損箇所があったり、備品が足りなかった場合は、それをまとめて職員室に修繕や補充の希望を出す。
「……だる」
「夏目くん?何か言ったかな?」
「いいえ、別に」
私と夏目くんは1階エリアを担当になったけれど、早速夏目くんは愚痴をこぼした。