生徒会長とのお約束
さすがは首席入学とでも言うべきか、夏目くんは覚えるのが早い。しかもやることは意外にもとっても丁寧だ。
けれど、口を開けば悪態をつくばかり。それだけが残念。
2人きりになっても、特に私たちの間に会話はなかった。
最初は、夏目くんが生徒会に入ってきてくれたことが嬉しくてたくさん話しかけていたけど、かえってうざがられてしまったから。
だから、こういうときは大人しくして先輩として余裕のある行動を。
「蜜先輩って、会長のこと好きなんですか?」
「……へっ!?」
……余裕のある、行動を……?
「嘘つくのが下手ですね、蜜先輩」
「そっ、そんなこと……!」
あぁ、やっぱり私に先輩は向いてないのかもしれない。
目の前の夏目くんは、何か面白いものでも見つけたかのように笑っていた。