手のひらの天秤 ~究極の選択ゲーム~
「はぁはぁ、はやくしないと! 遅刻したら志芳ちゃんに怒られちゃう!」
ダッシュで走ってなんとか朝のホームルームの五分前には教室についた。
「おはよう、愛子ちゃん!」
「おっはよー!! ねぇ希望聞いて!!今日、愛子、朝知らない男の子に声かけられちゃった! 愛子は、きゃー! 怖いって!逃げちゃったんだけど、、はぁ~、可愛いすぎるて罪よね~」
「そ、そうなんだ」
愛子ちゃんが相変わらずの調子で私に話しかけてくる。
いつもならここで、
『愛子、朝からうざいわ……読書の邪魔』
とか、志芳ちゃんの突っ込みが入るところだ。