手のひらの天秤 ~究極の選択ゲーム~
「Bを選んだら、みんなはどう思うのかな? お母さん……志芳ちゃん…愛子ちゃん……丸ちゃん……みんなは……?」
私の頭に色々な思いが過った。
さっきのお母さんが私に言ってくれた言葉。
『私のことを大切に思ってくれてる人がいること……』
それを私は十分に分かっていた。
きっと、私が周りの人を大切に思うのと同じくらい、私を愛してくれてる人がいる。
そして、この死神ゲームを通じて、私は誰よりも知ったつもりだ。
当たり前にあったものが……
大切な誰かが消えてしまうことの悲しさを。