手のひらの天秤 ~究極の選択ゲーム~
「志芳~! なにボーッとしてんのよ! はやく行こうよ!」
少し先の道で親友の桜庭愛子が手をふっている。
その横には、もう一人の親友の丸こと、丸野美優の姿もあった。
「どうしたの? 志芳ちゃん? 考え事?」
「いいえ。別に……」
二人は私にとって大切な親友だ。
クラスで行動するときはいつも一緒だし、
いわゆる友達グループというやつなのだろう。
……もちろん、うざいとか、痩せろとか、色々不満はあるけど。
私は二人と一緒にいるときが一番落ち着くし、
ここが、私が私らしくいられる居場所なんだと思う。
だけど……