手のひらの天秤 ~究極の選択ゲーム~
あれ?
先生がいつもの数学の先生じゃない。
私達の学年は二人の数学の先生がいて、クラスによって担当している先生が違っている。
いつもは白髪のおじいさん先生なんだけど、この日は、別のクラスを担当している若い先生が教壇に立っていた。
「実はみんなにとても残念なお知らせがある。
いつもこのクラスの数学を担当している山中先生が今朝ぎっくり腰で動けなくなったみたいで、今日の数学のテストは中止ということになった」
「「えっー!!」」
クラスからはよろこびの声と残念がる声が同時にあがった。
「それと授業のカリキュラムの関係でもう小テストをやっている時間はないから、
今回のテストの範囲は来月の期末テストでまとめてやることになった」