手のひらの天秤 ~究極の選択ゲーム~
「あっ、みんな来てくれたの!」ボリボリ
「丸ちゃん…!!」
扉を開けると丸ちゃんはびっくりするくらい元気な顔でお菓子を食べていた。
「丸ちゃん! 交通事故に遭ったって聞いたけど大丈夫だったの?」
「ははっ、お恥ずかしい話で……
居眠り運転のタクシーに巻き込まれちゃって」
丸ちゃんはへらへらした笑顔で言った。
「もう!愛子すっごく心配したんだからねっ!
先生も丸ちゃんが大怪我したって言ってたし!」
「大怪我? ははっ、大袈裟だなぁ。
右足にヒビが入ったらしいけどあとは大丈夫だよ。さっき精密検査したから」
丸ちゃんはベッドに横たわり右足をギプスで動かないように固定していた。