手のひらの天秤 ~究極の選択ゲーム~

「なに照れてんのさ! はやく来なよ!」


「ちょっ、ちょっと愛子!」


志芳ちゃんは愛子ちゃんに連れられて丸ちゃんのベッドの前に来た。


「志芳ちゃんも来てくれたんだね! 私、すっごく嬉しいよ!」


「け、怪我をしたって聞いたけど、具合はどうなの?」


「うん、みんなには心配かけちゃったみたいだけど、大丈夫だよ! 足はちょっと痛いけどね」


「そ、そう……グズッ」


ん?


「志芳、あんたもしかして~?」


愛子ちゃんが志芳ちゃんの顔をのぞきこんだ。

すると志芳ちゃんは瞬時に顔を背けた。



もしかして? 泣いてる!?


あの志芳ちゃんが!?

< 92 / 227 >

この作品をシェア

pagetop