星屑の中、君の笑顔が輝いている。
「やっぱり、似合ってるよ、その服」
この人は、突然何を言い出すんだろう。
いつも予想外のことを言ってくるんだから。
その度に心臓が変な動きをするし、そんな自分に戸惑って挙動不審になる。
彼の白いシャツが夕日に染まると同時に、彼の頬も少しだけ赤くなった。
「今日は俺に付き合ってくれてありがとな。半ば無理やりだったし、来てくれなくてもしょうがねぇなって思ってたけど」
人差し指で鼻をかいた黒崎くんは、その指でこめかみもかいた。
「古川が駅で待っててくれて、古川の一日を独占できて、俺って、超幸せ者」
もう......本当にこの人は......。
私の調子を狂わせる天才だ。
顔が赤くなっているのは夕日のせいだってわかっているのに、照れているように見える黒崎くんの表情が、私の警戒心を解いてくすぐってくる。
この人となら......なんて。
考えたらいけないことを思ってしまう。
好き......?
私、黒崎くんを好きになってしまった?
黒崎くんが私を見て笑ったので、咄嗟に目をそらす。
好きという感情は持ってはいけないのに。
みんなの人気者の黒崎くんを好きになってしまったらこの先学校生活が苦しくなるってわかってるのに。
なのに、どうして?
私の鼓動は、加速していくばかりだ。