人魚の住む海
夏休みに入り日中の海はかなりの賑わいだったけれど、朝の海は相変わらず静かだった。
その日も私はいつものように早起きをして海に来る。
朝日が昇りかけのオレンジ色の光の中を私はひたすら泳いだ。
さすがに泳ぎつかれて岸に上がると、砂浜に男の子が1人体育座りで私を見ていた。
歳は私と同じくらいか、もしかすると年下かもしれない。色白で私より一回り小さい華奢な体。薄茶色の髪がサラサラとゆれている。
大きな目。髪の色と同じ薄茶の黒目の下に糸1本くらいの白目(後で知ったけど三白眼というらしい)。そのおかげでか少し憂いを帯びて見えた。
王子だ・・・と思った。そう物語に出てくるような王子様はきっとこんな感じなんだろう。
「ねぇ。キミ泳ぐの上手なんだね」
王子が声をかけてきた。
その日も私はいつものように早起きをして海に来る。
朝日が昇りかけのオレンジ色の光の中を私はひたすら泳いだ。
さすがに泳ぎつかれて岸に上がると、砂浜に男の子が1人体育座りで私を見ていた。
歳は私と同じくらいか、もしかすると年下かもしれない。色白で私より一回り小さい華奢な体。薄茶色の髪がサラサラとゆれている。
大きな目。髪の色と同じ薄茶の黒目の下に糸1本くらいの白目(後で知ったけど三白眼というらしい)。そのおかげでか少し憂いを帯びて見えた。
王子だ・・・と思った。そう物語に出てくるような王子様はきっとこんな感じなんだろう。
「ねぇ。キミ泳ぐの上手なんだね」
王子が声をかけてきた。