人魚の住む海
「明日は観光リムジンだー!!」

沙紀と希美がテンション高くはしゃいでる。

最近この町では観光客誘致のために観光リムジンを走らせてる。この狭い町のどこを観光するのか・・・と思うけど、意外と好評らしくなかなか予約が取れないとか。

「8時に迎えに来るってさ」

タケルが言う。

「よく予約取れたよなぁ。さすがはタケル」

ジュンもうれしそうだ。

私はあれからタケルの顔をまともに見れてない。

「お前寝坊だからちゃんと起きろよ」

「大丈夫だよぉ」

タケルと沙紀のやり取りをぼーっと聞いていた。

「お前も今日は早く寝ろよ」

タケルが私にも話をふった。

「えっ?あっ、う、うん。そうだね」

ものすごい挙動不審な返事をする。

タケルは何事もなかったかのような態度だった。

私1人意識してどうするんだよ。もう。

「じゃあ私もう休むね」

そういって自分の部屋に戻る。

ベットに横になってみたけど眠れなかった。

気づくと窓の外の海がオレンジ色に染まってた。

いつの間にか朝になりかけていたようだった。
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