人魚の住む海
4.エピローグ
表面上は何事もなく別荘旅行は終わった。夏休みはまだ半分以上残ってる。
あの後とてもじゃないけどリムジン観光には行けなくて。私とタケルの携帯には沙紀からの着信がすごいことになっていて。
沙紀がブーたれて、疲れて爆睡していたとその場は適当にごまかしたけど、希美は明らかに何かを悟ったような顔をしていた。
タケルには沙紀のことはオレがなんとかするからお前は心配するなとクギを刺されたので、私はあれから何も言っていない。
私は旅行の翌日希美に電話してすべてを話した。
「やっぱりね。そうなるとは思ってたけど」
希美は驚いてはいなかった。
「私・・・沙紀にあわせる顔がないよ・・・」
このまま自分だけ幸せになっていいわけがないよね・・・。
罪悪感が波のように襲ってくる。
「まあどう考えても湊が悪者だしね。ビンタの一発や二発は覚悟しておいたほうがいいかもね」
希美は冗談っぽく言う。
「うん・・・」
「・・・。そんなに落ち込むなって。湊が悪いっていうならあの時2人きりにした私だって悪いよ。だいたい湊が無理やり奪ったわけじゃない。自然な流れでそうなったんだからさ」
希美がそう励ましてくれた。
「希美、ありがとうね」
もう私はタケルと歩いていくと決めてしまった。だから逃げちゃいけない、私はもう以前みたいに罪悪感から逃げたりしない。
あの後とてもじゃないけどリムジン観光には行けなくて。私とタケルの携帯には沙紀からの着信がすごいことになっていて。
沙紀がブーたれて、疲れて爆睡していたとその場は適当にごまかしたけど、希美は明らかに何かを悟ったような顔をしていた。
タケルには沙紀のことはオレがなんとかするからお前は心配するなとクギを刺されたので、私はあれから何も言っていない。
私は旅行の翌日希美に電話してすべてを話した。
「やっぱりね。そうなるとは思ってたけど」
希美は驚いてはいなかった。
「私・・・沙紀にあわせる顔がないよ・・・」
このまま自分だけ幸せになっていいわけがないよね・・・。
罪悪感が波のように襲ってくる。
「まあどう考えても湊が悪者だしね。ビンタの一発や二発は覚悟しておいたほうがいいかもね」
希美は冗談っぽく言う。
「うん・・・」
「・・・。そんなに落ち込むなって。湊が悪いっていうならあの時2人きりにした私だって悪いよ。だいたい湊が無理やり奪ったわけじゃない。自然な流れでそうなったんだからさ」
希美がそう励ましてくれた。
「希美、ありがとうね」
もう私はタケルと歩いていくと決めてしまった。だから逃げちゃいけない、私はもう以前みたいに罪悪感から逃げたりしない。