人魚の住む海
私たちはそれから毎朝、朝の海で会った。2人で並んで朝焼けを見たり砂浜に絵を描いてみたり貝殻をひろったりした。
それだけのことがとても楽しくて嬉しくて幸せだった。
あるとき、王子が私に聞いてきた。
「ねぇ。人魚の世界ってどうなってるの?」
「えっとね。なんでも真珠と貝殻で出来てるの」
「ほんと?テレビも?冷蔵庫も?」
「そうだよ。家も洗濯機も貝殻だしリモコンのボタンも全部真珠なんだよ」
私の幼稚なウソに王子は興味津々だ。
「ボク、行ってみたいな。ねぇお願いだから今度一緒に連れてってよ」
王子は真剣な顔で頼んでくる。
「タケルは泳げる?」
「泳げないけど・・・」
「じゃあムリだね」
「それならボクが泳げるようになったら人魚の世界に連れてってくれる?」
「ものすごーく上手に泳げるようになったらいいよ」
どうせすぐには泳げるようにはならないだろう。王子は運動が余り得意じゃなさそうだし。
王子は「ヨシッ」と何かを決意したようだったけど、そのときの私はまったく気づいていなかった・・・
それだけのことがとても楽しくて嬉しくて幸せだった。
あるとき、王子が私に聞いてきた。
「ねぇ。人魚の世界ってどうなってるの?」
「えっとね。なんでも真珠と貝殻で出来てるの」
「ほんと?テレビも?冷蔵庫も?」
「そうだよ。家も洗濯機も貝殻だしリモコンのボタンも全部真珠なんだよ」
私の幼稚なウソに王子は興味津々だ。
「ボク、行ってみたいな。ねぇお願いだから今度一緒に連れてってよ」
王子は真剣な顔で頼んでくる。
「タケルは泳げる?」
「泳げないけど・・・」
「じゃあムリだね」
「それならボクが泳げるようになったら人魚の世界に連れてってくれる?」
「ものすごーく上手に泳げるようになったらいいよ」
どうせすぐには泳げるようにはならないだろう。王子は運動が余り得意じゃなさそうだし。
王子は「ヨシッ」と何かを決意したようだったけど、そのときの私はまったく気づいていなかった・・・