ひみつのナナくん



いっちゃんに心配かけられないと、自分に喝を入れて前を向く。

すると、半歩先を行くいっちゃんがくるりと振り向いた。



「あったよ!なつめ、同じクラスだよ!」



いきなりのその言葉にいつの間にか目の前に見えていたホワイトボードに貼られたクラス発表の事だと気づかなくて、ぽかんとしたままいっちゃんをみつめる。

いっちゃんはぼけっとしている私の腕を引いて、ほら!とホワイトボードの1点…1-2の名簿に指を指す。

少し背伸びをして、その指の先に目をやった。


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